シャングリラ 第8話 「口紅無残」


口紅無残ってこういうことか。一応ミスリードとしては國子が死刑になっちゃうっていうのが用意されていて(まあ本当に死んじゃうと思ってた人は誰一人いなかったでしょうが)、実際には口紅に仕込まれたナノワイヤーを使うために國子がわざと落としていった口紅を指して「無残」と言ってたわけですね。モモコと國子の絆を想起させる「口紅」を武器としての小道具に用意してきたのもセンスが良い。
モモコさんが送り届けてくれた二つの武器を基に、収容所の仲間が一丸となって國子の脱獄を手助けする話。食事中にオレンジジュースを集めていたのは、発酵させてアルコールとして使うためだったり、ごみ分別の際に回収した炭素繊維を気球を作るために使ったり、爆弾雨でできたクレーターに気球を隠したり、首を絞めるためかと思われた縄は國子が足を引っ掛けるためのロープだったとか、一話かけて張ってきた伏線を國子が口紅についたナノワイヤーを使うその瞬間にすべて解放する痛快な挿話です。國子が飛び去ってからのネタばらしには鳥肌が立った。
よく考えると辻褄が合ってなくて、モモコと國子が事前に連絡を取れてないと、面会の前に3日間かけて考えたというこの作戦は成り立たないはずですよね。あと國子が独房に移されてからいつ仲間たちと連絡を取ったんだろう。まあそのへんの瑣末なことがらに目をつぶれば、この7話と8話はは良く練っている話だなあと感心させられます。
ひとつ分からないのは、なぜ友香は國子に会いに行ったんだろう。それも自分の体を売ってまで。あの会話が実は隠語で打ち合わせをしていた、とかだったらまだ意味があるけどそうでもなさそうだし。単純に友香は死にゆく國子と最後の会話をしたかった、ということなんでしょうかね。


最後に涼子は囚人たちを皆殺しにしてしまいます。さすがにここで殺さなかったら涼子じゃないよね。
ちなみに國子が死刑になる日を涼子が「國子にとっても美邦にとっても運命の日」と言っていたのは、太陽(=國子)と月(=美邦)が触れる日(日蝕)ということです。次週美邦と國子が邂逅する話で、せめてここの戦闘シーンは派手にやってほしいなあ、と願うばかりです。
しかし武彦たちはマジで可哀そうだ(笑)。彼らの努力は何の意味もなくすべて無に帰したのか。あと香凛が母親からのメールだと勘違いしたのはスパムメールだったってことでいいんですよね。


・久々にそらかけを見直していたら作画ミスを見つけてしまった。10話でハコちゃんをエミリオさんに引き渡した時に、秋葉さんがいつもつけているリストバンドをいつきさんもつけていますね。
しかし今まで気づかなかったけど秋葉さんのリストバンドはさりげにキーアイテムになっているのか。14話の秋葉さんの夢の中のシーンで神楽が同じリストバンドをつけていたということは、何を意味しているんでしょう。