話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

2013年も残すところ24時間を切りましたね。アニメスタッフの皆様、今年もたくさんの素晴らしいアニメを見せていただき、ありがとうございました。 さてさて毎年恒例、今年も10本選ばせていただきます。 ・ラブライブ! 第4話「まきりんぱな」(脚本:花田十…

『BLAZBLUE ALTER MEMORY』について(第10話まで)

この記事は『BLAZBLUE ALTER MEMORY』というTVアニメを絶賛する内容なのだが、このアニメにある数多くの批判に応えるものではない。というか、ぶっちゃけ大体は反論の余地がなく、正直なところ全く見られていないのもしょうがないかなとすら思う。しかし私が…

『のんのんびより』のタイトルの意味するものとは

アニメ版『のんのんびより』について、今回はタイトルの「のんのんびより」の意味するところを少し考えてみようと思う。これは「のんびりする」+「日和」からもじった造語で、字義通りに読めば「のんびりするのに適した環境」のことを指している。「環境」…

『ラブライブ!』最終話「μ'sミュージックスタート!」について――「音」という起点

『ラブライブ!』最終話は「μ'sミュージックスタート!」というサブタイトルで、このセリフが最後に合唱され、改めてスタートを切るμ'sを予感させて締めくくられる。綺麗な締めくくりだが、これがサブタイトルに設定されている意味を考えると、それはつまり…

話数単位で選ぶ、2012年TVアニメ10選

毎年恒例になっていますが、今年も10本選ばせていただきます。 ・パパのいうことを聞きなさい! 第4話「ワンダフルライフ」(脚本:成田良美、絵コンテ:高橋丈夫、演出:ふじいたかふみ) ・ちはやふる 第20話「くもゐにまがふおきつしらなみ」(脚本:鈴木…

ふたつの「反・ミステリー」――『PSYCHO-PASS』第一期について

最初に第1話アバンの、立体交差点(「十字の構図」)と、ヘリコプター及び螺旋階段の互いに逆回転の螺旋、この2つに注目したい。1話で犯人を追い詰めたところで、征陸と朱が銃を捨て、犯人が人質を手放したところを狡嚙が横から撃つ場面があるが、「十字の構…

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』について

ネタバレ全開なので、気にする人はご注意を。 最初にTV版の第24話『最後のシ者』を思い出したい。最後の使徒、カヲルはシンジの正面から見て右側から現れ、一緒に寝る場面で位置が逆転し、打ち解けたのち、左側に消えていく。『Q』ではこの間に有り得るはず…

人類は衰退しました 「じかんかつようじゅつ」編(7,8話)について

7話のアバン。遠目に見るシルエットが犬と人間(わたし)との間で揺れるが、犬が鳴くことで犬であるという認識が確定し、いったん認識してしまうと犬以外の何者にも見えない。この犬の鳴き声というのは「個性」であり、「じかんかつようじゅつ」編は「認識」…

アニメ版『人類は衰退しました』 「妖精さんの、おさとがえり」編に対する批判

アニメ版『人類は衰退しました』は楽しく見ていましたが、アニメ版の「おさとがえり」編はちょっと良くないなと思ったので原作に寄りかかって批判をさせてもらいます。5,6話についてはアニメ版に全く好意的ではないのでご勘弁を。あと原作信者がうるさいなと…

新年の挨拶

あけましておめでとうございます。 今年も本ブログをよろしくお願いします。

話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10選

今年も話数単位で選びます。 ・GOSICK 第12話「夏の午後に蝉の声を聞く」(脚本:岡田麿里/絵コンテ:数井浩子/演出:和田純一) ・アスタロッテのおもちゃ! 第4話「パーティーのアンパサンド」(脚本:赤尾でこ/絵コンテ・演出:京極尚彦) ・花咲くい…

『ましろ色シンフォニー』第7話までとウシロシンジさんについて

ましろ色シンフォニー、毎週楽しく見てます。どういう人脈かは存じ上げないが、『神のみぞ知るセカイ』やってた方々がコンテを切る回と、ウシロシンジさんとその一門(?)がコンテを切るNOMADグロス回が交互にあるようで、面白いのは断然NOMADグロス回(望…

ましろ色シンフォニー 第1話「ましろ色の出会い」

これは凄い。音楽の付け方は『ささめきこと』のように嵌っているし、ガラっと印象を変えるBパートも『ささめきこと』のギャグパートのような心持ちで見られる。 菅沼監督は「ましろ色」というモチーフを、ともすると真逆の印象を与えかねない「入り組んだ薄…

『うさぎドロップ』第1話

『うさぎドロップ』の第1話が素晴らしかった。まずなにより、りんの仕草一つ一つが細やかで可愛い。あやとりの作画は結構注目されていたように思うけど、それ以外も歩きや走りの仕草とか、仏壇の前でうつらうつらとしている場面とか、この辺りの芝居にグッと…

『アスタロッテのおもちゃ!』について ― クローバーと父性

アスタロッテ、3話くらいから急にハマりだしました……。ロッテと明日葉を毎週ニヤニヤと眺めるのがもう至福で至福で。アスタロッテのおもちゃ!1【完全初回限定特典スペシャルCD付/アスタロッテ(CV.釘宮理恵)キャラクターソング&ミニオーディオドラマ(×2話)…

『あのはな』と『シムーン』と『放浪息子』の話 ― 岡田麿里さんの性描写について

新年入ってから立てこんでて久々の更新となりました。 ダ・ヴィンチ 2011年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2011/02/05メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (9件) を見る『あの日見た花の名前を僕達は…

『H2O √after and another Complete Story Edition』プレイメモ&アニメ版との比較

『H2O』の原作ゲーム、ファンディスクの『√after and another』と合体しているバージョンを、正月を利用して一気にやりました。 ・最初に率直な感想を述べると、アニメ版が好きすぎるせいか、このゲームはあまり楽しめなかった。この子たちはなんでこうもや…

新年の挨拶

あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いします。 今年は岡田麿里イヤーです。 (GOSICK) http://www.gosick.tv/ (フラクタル) http://www.fractale-anime.com/ (放浪息子) http://www.houroumusuko.jp/ (花咲くいろは) http…

ヨスガノソラ 第12話「ハルカナソラヘ」

穹編のラストは前三編と異なり、異端の道を選んだがゆえの後味の悪さを湛えている。前三編と比較して「これでよかったのか――」と問いかけてくると同時に、唯一、前三編の間「ハズレ」を引き続けてきた穹の孤独だけが、救われる形になっている。 奈緒編での、…

話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選

ちょっと早いけど、さらに忙しくなる前に、個人的に今年を振り返る機会を作ろうと思いまして。 ・とある科学の超電磁砲 第14話「特別講習」(脚本:浅川美也/絵コンテ:矢島サコ美/演出:川畑喬) ・戦う司書 第19話「阿呆と虚空と踊る人形」(脚本:岡田…

ヨスガノソラ 第11話「ソラメクフタリ」

奈緒と悠のデート、家に一人で居残る穹のクロスカッティングが非常に良い。穹の自慰を反芻して顔を曇らせる悠の、その行動の暴力性が浮き彫りになり、さらに現在時制の穹の行動がクロスされている。前回、悠が奈緒と手を繋がないという話をしたが、11話では…

ヨスガノソラ 第10話 「トリノソラネハ」

長かった…。ようやく、悠の内面が描かれる段になったか。すごく面白いよ。 ヒロインの抱えている問題や、ヒロインとの過去を基点としていた前三篇と異なり、穹編は悠の視点・悠の願望が基点となる。悠の見る夢は回想に留まらず、夢の中の穹は大きくなって距…

ヨスガノソラ 第9話「ハルカナオモイ」

うーん、瑛編がものすごく良かったのに比べると、正直なところ、奈緒編はそれ単独ではちょっと落ちるか。 1話→7話→8話→9話と見ていったときに、あの第1話のキスが、穹は悠のことを「家族として」必要としていた、という風にすり替えられてしまうと思うと、さ…

ヨスガノソラ 第8話「ナオクラキソラ」

これまで無言の抵抗を示し続けていた穹が、ついにキレた。 奈緒がトボトボと家を出ていき、穹が台所に走って行って、「さぁ、悠はどっちを選ぶ?」と突きつけられる。そうそう、こういうのが観たかったのよ。カレーを捨てて鍋を投げつけるのも、これまでを見…

ヨスガノソラ 第7話 「ツミナオトメラ」

位置づけ的には第2話に当たるのだろうけど、第2話よりも展開が早い。もうキスしちゃったし。 第2話の時に、穹・一葉・瑛の「駆け寄り」に性格が現れていて面白い、という話をしたが、今回はそれと対比される形で奈緒の「走り」が登場していたのが面白かった…

橘秀樹監督の次回作も発表されたことだしちょっとそろそろ精霊会議に決着をつけたい―「H2O FOOTPRINTS IN THE SAND」

『ヨスガノソラ』の雰囲気があまりにも『H2O』っぽくて、ヨスガを見ているうちに急激にH2Oが見たくなってしまい、つい全話見返してしまった。号泣した。ものすごく良いアニメなのに、みんな精霊会議というだけで嘲笑するのはあんまりじゃないか、みんなエヴ…

ヨスガノソラ 第6話「アキラメナイヨ」

AT-Xと契約しました。瑛ルート、ものすごく良かった……。 何が良かったかと聞かれると、まず真っ先に、阪田佳代さん、と答えざるを得ない。表情の芝居に相まって、表情以上に「声色」が物語る。「だって、あんなに大切にしていたペンダントだって無くなっちゃ…

ヨスガノソラ 第5話 「ヤミアキラカニ」

4話で見せた、ゾッとするような瑛の「能面」、その内側に迫っていく回だったと言える。瑛の「笑顔の仮面」が崩れる箇所が大きく4つあって、教室で「昔のことを思い出した」と告げた悠に対して頬を染める表情、二人でペンダントを探しに行った先で「だいすき…

ヨスガノソラ 第4話「ハルカズハート」

そうきたか…っていう感じ。「ハルカズハート」というサブタイは、虚飾に見せかけて微妙に本質を付いているとも言える。とにかく、(少なくとも渚一葉編での)演出のスタンスは、次の会話のシーンを見れば、もう明らか。 瑛「かずちゃんのこと、嫌いになっち…

ヨスガノソラ 第3話「ツカズハナレズ」

一葉との関係が急激に変化する回。2人の関係の転換点が3つあって、浜辺でラムネの回し飲みをするシーン、悠が一葉を強引にデートに連れて行くシーン、キスシーンの直前、の3つ。 1つ目のラムネの回し飲みは、ビーチパラソルの茎を手前に映して(このパラソル…