宇宙をかける少女 第一話 「孤高の魂」

制作はサンライズ。監督の小原正和氏をはじめ、「舞-HiME」シリーズのメインスタッフが参加されているということです。(Newtype1月号より)
シリーズ構成の花田十輝さんは「sola」「H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-」「夜桜四重奏」などを手掛けられた方。H2Oはいわゆる「超展開」として話題になりましたが、個人的にはよく練られた脚本であったと思います。


さて、結論から言うとそうとう面白かったのですが、そうとう分かりにくかったため、そうとうな長文になりますのでご容赦ください(笑)


「…け、結婚!?」
物語は獅子堂秋葉さんの結婚の話から始まります。眼鏡の女の子が姉の風音さん。ツインテールの女の子がナミさん。
秋葉さんは逃げ出して、ナミさんはそれを追いかけることに。
逃げ出した秋葉さんと出くわしたのが妹子さん・・・の操縦する機械。妹子さんはそこから飛び出してきた小さな妖精のようなロボットです。
秋葉さんと妹子さんはナミさんの追跡を振り切って、そのまま妹子さんの運転する車で学校に行ってしまいます。


…が、ナミさんもSPらしき人の運転する車で負けじと追いかけます。
彼女たちが走っていたのは高速道路のようなものだと思います。一瞬映った標識によると、秋葉さんが下りて行った先には「学園島」「出口」とありました。
車はそのまま宇宙船へと変形して、(ICHIJINSHAとある標示を通過しながら(笑))学園のある別の「アイランド」へと向かうことになります・・・とまあここまでがアバンの内容ですね。


獅子堂家の人物の紹介の紹介をメインとしたアバン。私は初見ではいまいち内容は把握できなかったのですが、その美麗な映像に一瞬で引きこまれていきました。


Aパートではまず不法投棄された「宇宙ゴミ」らしきものを調査している人たちが出てきます。緑の髪の女の子が重要人物の神凪いつきさん。ICP(インター・コロニー・ポリス)(コロニーをまたいで活動する警察ということですね)の「怪奇課」に所属する警官という設定です。
最初に回収したのが電話で、大きく映っている赤い物体は神社の鳥居ですね。「怪奇課」の人が動いているということは、これがただの不法投棄ではなくてなんらかの怪奇現象と関連しているということです。「これってそういうオカルト的事件なんだー」はそういう意味ですね。


さて、画面が切り替わって秋葉のクラスメイトのフリオ・スールさんとその後輩の大倉ネネコさんが登場します。彼らの顔出しも兼ねて、とっさに出てきたため学生証を家に忘れた秋葉を救いだす役割を与えられています。秋葉さんは車の中でアバンの一部始終を話した模様。「家出もどんとこいです!」はそれを受けてのセリフ。


画面が切り替わってナミさん。まだ追いかけていたんですね(笑)。ナミさんも学生証を持たずに来てしまった模様。ナミさんは持病を持っているのか、集団の視線に対して過度にストレスを感じてしまうようです。こういう症状は聞いたことあるんですけどなんていう病名でしたかね。
「うるさい、さわんなババァ!」
個人的にはここの演技が気に入りました。普通の演技では前のセリフとの間にワンテンポ入りそうなものですが、自然な流れになっています。
風音さんの喧嘩腰な姿勢もここで紹介されます。画面の向こうの人が言っている。「カークウッド」というのは彼女たちが住む「ストラクチャー」のこと。この辺はよく調べていないと気付きませんね…


さて、秋葉と妹子が向かったのは、フリオ先輩が発見したというナントカという家出先。
彼女たちが地球を見て思わずこぼす感嘆の声から、彼女たちが地球ではなくその近郊に住んでいることがわかります。私は初見のときここではじめてそれに気づいたんですが、ここでそれが分かっても遅いので、このカットはこの時代における地球というものの位置づけを説明する、というのが主たる役割なんでしょう。
いつきさんの言う「例の現象」とは不法投棄事件のこと。そしてこのあと、秋葉と妹子がしゃべっている背景に、例の「宇宙ゴミ」が流れてきます。徐々に流れてくるごみが巨大になり、妹子は興奮気味。
そして彼女たちは突然現れた「レオパルド」へと墜落して行ってAパートが終わります。


CMを挟んでBパート。突然現れた謎の物体に怪奇課の皆さんが慌てふためいております。「カークウッド4号島」…の意味は公式を見ていただくとして。唖然とする警官たちに対して、凛としたいつきがとても格好よく映りますね。ナミさんが意味深なセリフを発していたのも気になります。
そしてそのコロニー…「レオパルド」に不時着した秋葉と妹子。エレベーターを上がり、コロニーの内部へと進んでいきます。
妹子さんの言う「クラシックな街並み」や路面電車を見て、私はちょっと「スカイ・クロラ」を思い出していました。なんか似たようなシーンがあったような気がします。
そしていつきの操る「QTアームズ」というロボットもここでお披露目。


終点の「レオパルド前」に到着した秋葉たち。突然響いてくる福山潤さんの声と、あまりにシュールなキャラクター「レオパルド」(笑)。福山さんは「アキカン!」のときと同じようなノリなんですかね。声だけ聞くと大地カケルの顔が浮かぶ…
アールグレイだかなんだか分からない液体を飲んで噴き出す秋葉。非常に「漫画的」なキャラクター描写が使われていますね。
コロニーを調査していたいつきさんと秋葉がここで出会います。今までキリっとしたキャラクターで描かれてきたいつきさんが、落とし穴に嵌まるという間抜けな(実際は避けようがないんでしょうけど…)一面を見せることで笑いを喚起しています。
「ぼくは国家権力には屈しないのだ!」


そしてなんだか暴走しだすレオパルド。「アイ・ハヴ・コントロール!」と、妹子と同じセリフを発しているところにも注目ですね。
秋葉さんは得体の知れない液体をためらいなく口にしたり、一歩間違えば大惨事な装置に平気で触ったり、なかなか図太い人ですね(笑)


「死ぬんだ、ぼくは死ぬんダァァァァー!」
と、宇宙ゴミをまき散らしながら地球に突撃するレオパルド。「アイ、キャンッ、フラァァァァイ!」(笑)
秋葉に「死にたくない」と言われ、今度は「死にたくない」と言い出すレオパルド。
自分で止められないため、秋葉をQTアームズに乗せ、「ハイテンションレバー」(笑)を倒させてなんとか地球に墜落せずに助かりました。


そして残りの獅子堂家の姉妹、高嶺さんと桜さんも顔出しをし、そしてEDが流れる中、最後に牧野由依さんの演じる河合ほのかさんが秋葉に向けて何かを発砲し、EDムービーへと切り替わります。EDの最後の秋葉の足裏がエロいとか考えてしまった俺は何なんだろう…


総評として、非常にクオリティの高い映像にたいへん満足しました。舞台背景の説明は劇中であまりされていないのは、そういう細部はWebページに書いておくので自分で補完しなさいということでしょう。私は「屍姫玄」のように説明ばっかりになるよりは、このように説明を削ってテンポの良いアニメの方が好きです。人物も名もない警官たちまでキャラデが整っていて非常に良い作画だったと思います。あと秋葉役のMAKOさんも「かみちゅ!」のときに比べてかなり演技がうまくなったように感じました。次回からも期待します。


追記(1/6 22:24)
私のfushiana eyeによると秋葉は水無灯里で、いつきはC.C.で、ナミは鏡音リンで、宇宙船で飛んでるICPの二人の警官のうち左に座っている方は、喰霊で1話で死んだ特戦四課のマミに見えます。眼科に行った方がいいんですか?