宇宙をかける少女 第12話 「虚ろなる巨像」


秋葉さんとブーミンが用意した大量のミラーに反応して…かどうかはわかりませんが、ミラー泥棒のベンケイがワープしてきて姿を現しました。ベンケイはレオパルドの知り合いのボナパルト(ナポレオンの姓ですね)でしたが、人工知能本体の姿を見てもレオパルドは誰だか分からず、ベンケイは怒ってレオパルドに突進してきます。秋葉さんが後ろに吹き飛ぶカットと、レオパルドコロニーが押されて交替していくところが、ちょうど同じアングルで美しい。


レオパルドとベンケイが衝突したのを確認して、風音さんはほのかさんと高嶺さんに迅速に指示を出します。敵の外装の破損を見つけて内部に突入し、頭脳体を制圧せよ、と。桜さんも作戦に使うようで、獅子堂家総出でベンケイと戦うようです。
秋葉さんがレオパルドのテーブルとかティーセットをセットしなおしている脇で、レオパルドとベンケイが会話をします。ベンケイがボナパルトの名を捨てた理由は分かりませんが、コロニーの姿を変えた理由は分かりますね。後に再び出てくるネルヴァルのエンブレム、その形を真似て作ったのでしょう。ベンケイが再びレオパルドに攻撃を仕掛けてきて、高嶺さんたちは突入することができず退避します。ベンケイはレオパルドのミラーをチェーンソーで切り落とそうとしますが、レオパルドはそれをがっちりと受け止めてベンケイを驚かせます。ベンケイは中身が空っぽだけど自分には外見にふさわしい中身があるとかいうセリフは実にレオパルドらしいですが、それに同じようなテンションでセリフを返すベンケイも、レオパルドと同じように高慢で、意地っ張りで、負けず嫌いな性格なんですね。個人的な感想ですけど、レオパルドはそれで面白いけどベンケイはかなり痛いなあ。
「早い話、ベンケイさんはレオパルドさんがいろいろ羨ましかったと」と簡単にイモちゃんがまとめたところで、つつじさんが画面の向こう側から口を挟んできます。秋葉さんが「うちの学校の制服」と言うと「私より制服ですか」と返すとか、つつじさんは存在感の無さを気にする被害妄想キャラのようです。ギャグキャラとまではいかないけど、この人も面白い人ですね。つつじさんは要するに自分の存在感を出すために戦う、と。秋葉さんを無神経な人たちの代表と言っていましたが、あながち否定もできない(笑)。秋葉さんは意外とさっぱりした性格をしていますよね。秋葉さんがとりあえず謝ると、つつじさんは「許しません」と言って再びベンケイを突進させます。


さて、一人だけ別の目的でこの場所に来ていたいつきさんですが、獅子堂家の発令した進入禁止命令を確認して、風音さんに連絡を取ります。秋葉さんの作戦で捕り物をやっているから退避しろと言われますが、いつきさんは友達の秋葉さんのために手伝う、と申し出ます。いつきさんの口から「秋葉さんは友達」という言葉が出てこようとは。そのセリフを言わせるにはまだ早い気もしますがね。一方でブーミンはこの戦闘の様子を録画したのか、進入禁止命令を見て退避したようです。
ベンケイがレオパルドのミラーをほしがる理由は、自分をさらに飾り立てるため…というより、ネルヴァルのエンブレムの姿により近づくため。ネルヴァルのエンブレムは左右の翼がありますが、ミラーをそれに見立てるわけですね。レオパルドが「ミラーが素晴らしすぎてお前の姿がかすんでしまう」と言うとベンケイはさらに怒り、レオパルドに別の攻撃を仕掛けてきます。それはレオパルドを巨大な箱の中に閉じ込めるというもの。箱にはレオパルドからエネルギーを吸い取る機能があり、レオパルドは焦ってソウルシャウツ箱をこじ開け、ベンケイを撃ち抜こうとします。秋葉さんもそれを承諾し、風音さんも高嶺さん・ほのかさん・いつきさんをレオパルドキャノン発射後に突入させようと準備します。しかし、レオパルドキャノンを発射すると、ベンケイは背中を向け放射線状のミラーを広げて、レオパルドキャノンを吸収し、さらに正面を向いてレオパルドキャノンを撃ち返してしまいます。


風音さんはベンケイの危険度を認識し、例のハッキング技を使ってICPのリモートアタッカーを出動させ、ベンケイに攻撃を加えようとします。ベンケイはそれを受けて、レオパルドキャノンを吸収して得たエネルギーを使い、「エクスクルーシヴコントロール」…というので獅子堂評議会側のパソコンをハッキングし返します。レオパルドのミラーを盗むことより、こちらが本来の目的だったよう。その効果はハッキングだけで留まらずに、ネルヴァルの刻印があるほのかさんと高嶺さん、元老院の3人にダメージを与えます。元老院の3人は10話で手の甲の刻印を見ましたが、ほのかさんは2話で左の肩甲骨の辺りに刻印があるのが明かされています。高嶺さんは単なるダメージに留まらずに、このあとネルヴァリストとして覚醒してしまいます。
ベンケイが「エクスクルーシヴコントロール」を発動したのを受けて、クサンティッペが姿を現し、ネルヴァルに付属していた蛇状の機械「ガントレッド」を使って、7話の時と同様にカークウッドのコロニーを氷付けにしようとします。カークウッドではすぐに気温が低下し、さらにガスが流されてスール学園の面々は眠らされます。停電も起きて、カークウッドの内部は大混乱に。ICPのリモートアタッカーも乗っ取られて、その場に居合わせたブーミンが攻撃を受けます。こんな攻撃を受けてもまだブーミンは死なないんですかね。


キャノンを食らったレオパルドは地球に向かって墜落していってましたが、ベンケイに突進してベンケイを巻き添えに地球に落下していきます。秋葉さんは落下していくレオパルドを止めるために、1話で使ったハイテンションレバーを使うことを思いつきます。そこにほのかさんといつきさんが合流してきて3人でハイテンションレバーを倒しに向かいますが、ネルヴァリストに変貌した高嶺さんが妨害してきます。一方レオパルドは帽子をかぶって一人宇宙空間へと離脱し、ベンケイもレオパルドと共に果てることを望んでいたようですが、つつじさんに連れられて離脱します。一瞬桜さんが出てきましたけど、なんだったんでしょうか。秋葉さんたちは最後に高嶺さんから超音波のような攻撃を食らって、それによってハイテンションレバーが倒されました。でも頭脳体のいない現在のレオパルドコロニーは墜落必至か。
ちょっと前に戻って、獅子堂元老院にアレイダが侵入してきました。元老院の人がとっさに行動したおかげで風音さんは脱出することができましたが、元老院の3人と、最初にアレイダに出会ったエルさんは安否が分かりません。
最後にナミさんがネルヴァルによって氷付けにされた世界を見て「きれい」とつぶやいています。


今週は非常にショッキングな回でしたね。獅子堂評議会はネルヴァル側に惨敗し、高嶺さんは洗脳されてネルヴァリストになってしまいました。それと、元老院の3人とほのかさんに刻まれているネルヴァルの紋章は何なのかが問題になってきましたね。次週は地球に不時着した秋葉さんたちが水着回をやる模様です。まあ、このまま欝展開になっても困るので良かった。期待しています。