「大正野球娘。」と「咲-Saki-」


タイトルには2つ並べてきましたが、おもな話題は「大正野球娘。」に関することです。
私は「大正野球娘。」は「咲」や「バンブーブレード」などと同じ系譜の、いわゆる「女子高生部活アニメ」(誰が言い出した言葉か分りませんが、便利なので使わせていただきます)の一種であると捉えています。まあ、高校も存在しない時代なのに「女子高生」というのもちょっと変ですが、時代差を考慮から外せば同じ系統のアニメであると。そして「咲」と「大正野球娘。」は同時期に放送された「部活アニメ」として、まるで正反対の演出方法をとっているのが面白いですね。咲は過剰なくらいのエフェクトで盛り上げて、大正野球娘は試合の中で生まれるファインプレーで盛り上げる。その結果、咲には「麻雀を知らない人でも楽しめる」というメリットが生まれて、大正野球娘は「野球中継的」な面白さを備えることになる。大正野球娘はさすがに、野球を全く知らなかったら見れないかもしれない。けれど、さすがにそんな日本人は少ないと思われるので、「中継的」に徹することもできる。それに対して咲は、麻雀を全く知らない人のことも考慮に入れなければならないので、必然的に「中継的」な面白さをある程度放棄して、エフェクトで盛り上げるという選択をせざるを得ない。この2つの演出方法は、一概にどちらがいいと言えるものでもなくて、部活アニメで扱う「競技」に依存したメリット・デメリットから生じた違いなのです。


さて、ここからは、「大正野球娘。」最終話の話題。
そんなわけで、やっぱり大正野球娘は、スポーツアニメでした。最終話では池端隆史さんにしてはえらい躍動感のある画面を作っていました。9回裏、1点及ばず負けて終わるところが美しい。試合には負けたけれども、野球を以て男子を見返すという、晶子さんの当初の目的は達せられた。
最後の、小梅と三郎が手をつないでいるところから、鳥が3羽飛んでいるカットが印象的でしたね。2羽でなくて、3羽飛んでいるのが面白い。うち2羽が小梅と三郎だとすると、残りの1羽は小梅の父でしょうか。


次はぽてまよ二期をお願いしたいところですね…。