かなめも 第11話 「はじめての、看病」


アバンは雨の中濡れながら帰ってきたかながくしゃみをする所から始まって、風邪や体調を視聴者に意識させるところから始めています。順当に行けばかなが熱を出して倒れるところだけれども、最初に風邪を引いたのはゆうき。そしてその風邪がゆめにもうつって、2人が回復した頃に代理が体調を崩します。


代理が倒れているシーンで、かなの妄想を何のためらいもなく画面に入れ混ぜてくるのは、ちょっと驚きましたね。戦隊物的な妄想をかながしていたり、そのちょっと前のところで戦隊物風のアイキャッチみたいなのが入ったり、これはつまり、風新新聞の玄関に張ってあるポスターに、最終的には集約されていくと思うのですが、どうですかね。こうして現実とかなの妄想を入り混ぜた画面構成をしておくことで、かなが熱を出した後の夢の中のシーンが切実な印象を与えます。


代理が体調を崩して、かなは甲斐甲斐しく看病をします。ほかの風新新聞のみんなは一様にそっけない態度をとりますが、それは実は代理を思いやってのことだったと、かなは気付きます。それで翌日には代理は全快し、続いてかなが風邪でダウン。みんなが朝刊を配っている間に、かなは一人部屋で寝込んで、そのときに、みんなが配達の準備をしている空間に、自分だけが見えない壁に阻まれて入れない…という夢を見る。夢が始まるところでは、これがかなの夢であるという演出はどこにもないけれど、かなが見えない壁に頭をぶつけるあたりで意識され、かなが目覚めるところで明確にされます。かなが目覚めると横には代理が寝ていて、どうやら徹夜で看病をしてくれたらしいと分かる。それで、かなはこう思います。「おばあちゃん、私、みんなに守られてばかりです。いいんでしょうか、これで」


かなは代理の看病をするという経験を通じて、自分が病気で寝ているときに看病してくれる人の有難みが分かる。「おばあちゃんに守られていた頃の自分」から卒業しようとするかな。かなの成長物語としては不可欠なエピソードで、この話を横手美智子さんに振ったのも良かったです。


お盆に引き続き、インフルエンザ大流行のご時世にこの挿話を持ってきたのは(いや、偶然なのはわかってるんですけど)、体調管理はしっかりしましょうと啓発しているようにも思えます。いや、穿った見方をすればお盆の回だって、コミケ行ってないで帰省くらいしなさいという声が聞こえてきそうなもんですよね。



・まだ上映やっているようなので、近日中に「空の境界」と「センコロール」と「サマーウォーズ」を観に行きます。感想を書く…かどうかは定かではない。頭が悪くて2回見ないと感想書けないので、劇場作品については2,3行くらいの感想になるか、いい加減なことを言ってしまうか、どっちかになりかねないので、あまり感想を書かないのですが。


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