舞乙と宇宙かけ


今日は「咲-Saki-」の椛島洋介作監回でございます。金曜まで見れないのが非常に悔しい。今日10日売りアニメ誌の3誌を買ってきたんですがね、3誌とも咲は絵コンテ以外、作監も演出も「未定」となっていて、制作体制に不安を感じます。最終話まで頑張ってほしいですね。


で、なんで今さら舞乙の話をするかということですがね、それはもう今まで舞HiMEシリーズを1作も見たことが無かったからそらかけとの比較も何もできなかったからなのですが、夏休みを利用して「舞-HiME」「舞-乙HiME」「舞-乙HiME Zwei」のDVDを借りてきて全部見ました。舞乙とそらかけの比較をしたブログなぞきっと星の数ほどあったんでしょうが、いかんせんそらかけを醜い言葉で罵っているブログが多くてですね、あんまり他のブログのそらかけの記事を読む気になれなかったんですよね。それで、自分で見て気付いたことをいくつかメモ。それと舞HiMEシリーズの簡単な感想もついでに。


舞-HiMEはなんといっても小野学さんのコンテ回が良いですね。特に15話はやばいわ。
これは前から思っていたことだけど、そらかけの椛島さんのキャラデって久行さんの影響をもろに受けていますよね。
最終話は原画陣が豪華だな。西田亜沙子さんに加えて岡真里子さんまでいるとは。竹内さんとスタジオ・ライブつながりだろうか。
舞-HiMEの頃と比べて人材の流出が激しいな。長井龍雪さんはもう8スタで仕事することはないんでしょうか。


舞乙ブーゲンビリアとミンタオの2人が主役…てか、このアニメが好きな人はそらかけのブーミンの扱いは耐えがたいものがあるかもしれないけど、そらかけはアリカとニナが戦わなくていい世界なんですよね。しかし、ブーミンの「泥船に乗ったつもりで任せなさい!」って舞乙から引っ張ってきたネタだったのか(笑)。ブーミンはアリカとニナだけど、キャラ的には遥と雪之…というか遥が2人って感じですね。
舞乙は11話と17話がすごい。あと24話でニナが「私から『乙HiME』の資格を奪って」とセルゲイの前で服を脱ぐシーンがやばい。個人的にはニナが超好きですね。
舞乙では23話で、舞HiMEの主人公の舞衣がアリカの前に現れて、「乙HiME(オトメ)とはなんなのか」と悩むアリカに助言をする。同じようにそらかけでも、神楽が獅子堂家のもとに戻ってきて獅子堂家を導いていく。それで樋口さんは「神楽役が中原麻衣さんであることに注意を払ってください」みたいなことを言っていたのか。


そらかけと舞HiMEは全然違うってのはいいと思うけど、そらかけと舞乙は構造的にはすごく似ている割に、結構ベクトルの違う作品ですよね。ロストテクノロジーとか、過去の戦争が現代に影響を与えているというギミックは共通しているし、マイスターと乙HiMEの関係はそのままブレインコロニーとそのパートナーに置き換えられるし。でも、ネルヴァルはネルヴァルなりに市民のことを真剣に考えていたのに対して、ナギは最終話の冒頭で「ゲームはここまでかな」というセリフがあって、結局のところ遊び半分で戦争を起こしていたことがわかる。アリカは「乙HiME」になることを強く望んでそうなったのに対し、秋葉は(すごく乱暴な言い方をすれば)「宇宙をかける少女」を押し付けられたスケープゴート。決定的な違いは、「過去」が現代にどのように影響しているかということが全然違う。舞乙だと過去に封印された兵器を再び使おうとする輩が居て…っていう感じだけど、そらかけでは獅子堂家は、最初から最後まで「過去の戦争」に翻弄されている。明確な敵がいるんじゃなくて、過去の清算をすることに追われている。
やっぱり表面上は似ているから、舞乙的な展開を望んだ人は多かったのかもしれないけど、(まあ、そうすることもできたんでしょうけど)、決して舞乙の焼き直しを作りたかったわけではないと思うんですよね。というか、秋葉にではなくブーミンに菊池美香さんと小清水亜美さんを起用しているということは、「秋葉はアリカじゃないんだよ」という意味が込められていることが容易に推察されるのですが。
でも、その構造的な類似を利用して、神楽の洗脳を25話で解き、さらに最終話で「ナミさんの躾までさせた」サービス精神にはただただ感服するばかり。それこそエルスティンの遺言のように、最終話までのどっかでアレイダを殺して「遺言を読ませる」筋にするのも十分有り得たと思うんですよね。根拠のない憶測でしかないけれど、アレイダの遺言を出した時には樋口さんはむしろその筋を考えていて、でも結局舞衣を殺したくなくて、「舞乙をもう一度」、やはり舞衣には、後世のアリカを直接導いてほしい、と考えて、25話で遺言を焼き払ったんではないかなと、そんな風に思いました。
(ところで、そらかけの中で「アリカ」は誰なのでしょうね。そのまま当てはまるキャラクターは居ないけれど、もちろんブーゲンビリアはそうだし、秋葉・あるいは獅子堂家全体というのも当てはまるけど、神楽が直接教育をしたのはナミさんで、ナミさんもアリカなのかもしれない。すると、どうやらアリカの特徴は獅子堂家全体に分散しているようで、実は舞衣だと思われた神楽こそが、アリカなのかもしれない。)


そらかけは舞乙を見ていなくてももちろん成立するけど、舞乙ファンへのサービス精神にあふれていたんだなあと、気づきました。


あ、どれが一番好きかっていうことですがね。そらかけであることは揺るぎませんね。そらかけ、舞乙舞-HiMEの順ですね。あとは、S.ifrとゼノグラを見ないと。