涼宮ハルヒの憂鬱 第19話 「エンドレスエイト」


終わった…とうとう、我々のエンドレスな夏が終わってしまいましたね。寂しくなります。
一番好きなのは石原さんがコンテ・演出をした16話だけど、今回の米田光良さんコンテ・演出の19話も良かったな。ループが終わる際の、たこ焼きがセミになったり、手の中で花火がはじけたりするカットが、ループの記憶がごっちゃになった気持ち悪さを印象付けていて素晴らしい。8話見続けた苦労は、喫茶店のシーンの物々しいBGMに全部誤魔化された感じがします。12話も米田さん、19話も米田さんで、最初と最後だけ見てもいいんだよー、って聞こえてきそうなものですけど、やっぱりこの達成感みたいなものをキョン達と共有できるのは、8話も繰り返したからなんですよね。最後のカットの、「もう一度この日を繰り返す機会があったなら、掛け金の設定をぜひとも覚えておくことにしよう」と言って手札を見せるカットもかっこいい。なんだか、1万5千回以上繰り返して幸運にも「当たりループ」を引き当てた今のキョンになら、ロイヤルストレートフラッシュくらい余裕で引けるぜ!と言っているように思えてくる。


8話を振り返って、やはり基本的には京アニ演出陣による、ほとんど同じ脚本の下での「競作」という感じだけど、石原さんの回だけ異色というか、やはり石原さんのコンテ回だけは差別化を図ったようでしたね。どうでもいいけど、自分が脚本書くなら、1回くらいはハルヒが「1つだけなら食べてもいいわよ」と言ってたこやきではなく13匹の金魚を差し出す回を作りたいです。


追記 8/9
エンドレスエイトの終わり方について、原作未読の「少数派の」人からは「拍子抜けした」っていう意見が散見されます。たしかにこれは、原作を読んでいないと成立しないのかもしれない。エンドレスエイト19話の面白さって、感動というより、達成感なんですよね。どういう結末になるのかは分かり切っていて、その上で、なかなかそこにたどり着けない。そして、やっとたどり着けた!っていう喜び。それが19話の喫茶店のシーンの、感動の本質だと思います。それ以降の宿題とか、トランプとかはもはや後日談の類です。そこで拍子抜けされても…っていうか、やはり結末が分かっていないとどうしようもないんですけど。ハルヒくらい視聴者の間で原作が浸透している作品だからこそ、こういうゲーム的な試みが成功したんだと思います。よくやった、京アニ