かなめも 第2話 「はじめての、新聞配達」

シャングリ・ラ」も原作とはまた違った展開になっていて面白いんですが、なんか「かなめも」がやたら面白いので、今週はかなめもについて書きます。


とりあえずこの作品って、ディテールにばかり目が行って内容に全然集中できないんですよ。まあみなさんお気づきの通り、かなの持っている順路帳には広橋→豊崎→小山(小山…はあんま関係ないかも)とか書いてあって笑い転げたし、美華が「針宮」さんちに新聞を届けに行くのも笑った。そして豊崎さんに自分の名前を間違えて言わせるというプレイ。まあそのあたりで笑い転げていても展開についていけるような配慮がされているような気はしますが。
とにかく「新聞」を扱っているだけあって、シャフトではないけど「文字の氾濫」が起きている。文字というよりは、もっと広い意味で「記号」とでもいうべきかもしれない。しかしまあ、シャフトが「ぱにぽにだっしゅ!」以降ずっとやり続けているような「黒板ネタ」のような過剰なことはせずに、一画面で視聴者が普通に見ていて読み取れる程度の文字・あるいは記号を提示しています。かなの日常にあふれている「文字」も、シャフトと違ってあまり非現実的な変化は起こしません。例えば食卓の掲示板は前回(=昨日)と同じ内容でしたね。なにやら○×をしている紙が貼ってあったり(ちょっと×の人は弱すぎると思いますが)、「みかん狩りに行こう!」って紙が貼ってあったり。
そして唯一といってもいい変化は、当たり前なんですが、かなが来たことによって、店頭に張ってある住み込み従業員の募集が剥がれたこと。これが前回と今回における風新新聞の周辺の、「文字の変化」で、逆に言うと隣に張ってあるポスターが剥がれていないのも面白いですね。隣に張ってあるポスターというのは、「明日のヒーローは君だ!」とでかでかと書いてあって、さらにその下には、風新新聞で働く皆さんをあしらった戦隊もののイラストが載っていて、さらに「レッド」だけが顔を明示されずに、まるでかなの登場を待ち望んでいるかのようなポスターが貼られていました。これは2話になっても、剥がれていない。自転車に乗れないかなさんは歩いて新聞を配ることにしたけれど、まだこの「レッド」にかなさんの顔を埋めるには早い、というところでしょうか。(まあ、実際には町内の催し物のポスターか何かでしょうから、永久に埋まらないかもしれませんが)。「かなめも」においては、こうして数少ない「文字の変化」を辿っていくと、「かなの成長」が見えてくるような気がします。


あと個人的には、ゆうきの声が完全にそらかけのいつきなので、ゆうきが喋るたびに意識が別のところに持っていかれてしまいます。原作を2巻まで読んでいますが、アニメ版はなかなか興味深い切り口でかなめもを仕上げてくれています。本編の内容を全く書いていませんが、こんなところで。次週も期待。