CANAAN 第2話 「邪気乱遊戯」


上海に来てカナンと「愚かな人たち」の銃撃戦を目撃した御法川とマリアが、今度は同じく「痣」のある人に標的にされる話。マリアはかつてウーア・ウィルスの実験台にされたという過去を持っていて、御法川はマリアをお荷物だと思っていたけど、カナンとマリアの意外な接点を知ってマリアからカナンについて有益な情報は得られないだろうかと考えます。そして出向いた中華料理店に、「痣」のある老人と子供の組が車で突っ込んできて、老人は銃を乱射し、御法川たちは店の外へと避難しますが、老人たちの狙いは御法川たちで、御法川たちは狭い路地を潜り抜け、途中でタクシーを拾って、老人たちの追跡を撒こうとします。
タクシーの運転手に尾行を撒いてくれなんて注文するのも無茶な話ですが、運転手はノリノリで引き受けて、途中でラジオをつけ出し、流れてくる岡田麿里さん作詞の例の電波ソングをマリアと合唱するという。どういうセンスなんだこれは(笑)。運転手が異常にキモかったけど、ここまで堂々とやってくれるとむしろ清々しさを感じてしまう。彼らは建設途中の道路を飛び降りて、ビルの屋上に着地。それでも老人たちの追跡は振り切れませんでしたが、カナンが銃を持って現れると、老人たちの標的はカナンのほうに移り、御法川たちは助かったものの、ビルの上から動くことのできないタクシーを前に途方に暮れることになります。ここの一連のカーチェイスのシーンはさすが安藤真裕さんとP.A.WORKSさんというべきか、素晴らしく良くできていた。
カナンは老人を挑発して車の中から誘い出し、老人のマシンガンを相手に棒高跳びの棒のようなもので応戦します。カナンはこの棒を自在に操って、まさに棒高跳びのように使ってバスの上に飛び乗ったり、老人の撃ってくる玉を棒をくるくるとまわして弾いたり。このシーンは通り一遍の動きだけでなくて、カナンが回転するような動きが目を引きます。結局老人は不注意で電線に絡めとられて呆気なく感電死。片割れの子供がその様子を見て「お兄ちゃん…」と呟いていましたね。すごく年の差があるように見えて、孫と祖父ではなくて兄弟。


マリアがカナンからもらったぬいぐるみに、空いている穴に赤い毛糸を詰めて、なんだか血が吹き出ているようにしか見えず、御法川が「グロイぞ」と突っ込んでいます。マリアはただなんとなく毛糸を詰めたのか、それともカナンが銃で開けた穴だと知って血を噴き出させたのか、どっちにも取れるなあ。この次に彼らがホテルに戻った際に、カナンを撮影したネガが盗まれて、彼らの荷物は赤い血(あるいは「赤い水」)にまみれていました。赤く染まったぬいぐるみを見て、マリアはカナンのことを想起します。「色がないからぬいぐるみが好きだ」と言っていたカナンは、「共感覚」という能力で、カナンは普通の人が見えないような「色」も見えてしまうために、このように思ってしまうんでしょうね。
このぬいぐるみは、「色の氾濫」を起こしている「上海」という街に対するアンチテーゼとして置かれていたわけですが、最初にマリアが額から流血させて、ついに真っ赤に染められてしまう。このぬいぐるみが「色」に呑まれていく様子が、そのままマリアたちが「上海」に呑みこまれていく様にも思えてしまいます。


最後は意味不明にも猫のコスプレをしたハッコーがマリアたちの前に現れて、次週に続きました。ここからマリアたちは「ウーア・ウィルス」をめぐる事件に深くかかわっていくんでしょうね。次週も期待。