化物語 第壱話 「ひたぎクラブ 其ノ壹」


化物語は、そうとう面白かった。今までのシャフトで一番好きだ。まあでも、そらかけの時みたいな長文を書く元気はもう枯れているので、とりあえず書きたいことだけを書きます。


今回書きたいのは、暦の顔を「隠す」ことと、ひたぎの顔を「見せる」こと。
Aパートに入ってからはしばらく暦の顔の全体を描写するのをずっと避けていて、なんだか絶望先生の顔をイメージしてしまった。実際、暦の顔というのはそんなに特徴があるわけでもなくて、今でも「絶望先生のような人」みたいな印象を持っています。なるほど!シャフトがこれと絶望の3期を同時にやるという冒険に出たのは、暦を糸色望にすり替えたかったのか(笑)まあそれは冗談として、とにかく暦の顔を「隠そう」としていて、暦と視聴者の一体感を演出しようとしている。。例えば暦の視点でのカットはすごく多い。その結果として特に、ひたぎが右側のカッターを引っ込めて、左側のホッチキスを閉じるシーンは、見ている方としても思わず頬のあたりを押さえてしまうくらい、ものすごく痛々しい。
でもそれだけじゃなくて、暦の顔を「隠す」代わりに、ひたぎの顔のアップなどのカットはすごくたくさんありますよね。対比として翼を例に出すと、Aパートで翼と暦が文化祭の出し物の会議をしているところで、暦のいじりまわすシャーペン越しに翼を見る、という構図は面白い。時々シャーペンが翼の目にかかって、翼の目が隠れるんですよね。これはやはり、翼の顔も「隠そう」としている、という意図が潜んでいる。これに対して、ひたぎの顔は全く隠そうとしていない、というか、ひたぎの顔は「見せよう」としている。例えば暦とひたぎが自転車に2人乗りしてメメに会いに行くところは、後ろに座っているひたぎだけを映したり、暦を「隠して」ひたぎを「見せる」ということを一番露骨にやっていますね。


・アバンは微妙だなあ。アバンはなんだかPVのようで、おそらく暦とメメの過去…暦が「吸血鬼」みたいになってしまったというのを表現しているんでしょうけど、これだけだと意味不明ですね。特に一番最初のパンツがめくれるシーンは何がしたかったのかよく分からん。あと、暦の脳みそからスパゲッティが出てきて「この後スタッフがおいしくただきました」とかも微妙。なんつーか、シャフトのこういうところが今まで嫌いだったんですよね。夏のあらしの時もこういうのは全部スルーしていた気がする。

・いつものことですが、文字のカットがたくさん入っていたけど、書いてある文章は原作の小説から取ってきているんでしょうか。この「文字の氾濫」は重要な主題のはずだけど、あまり興味が湧かないのでスルーしますわ。

・ひたぎは、よくしゃべって可愛いなあ。ひたぎが暦の口にカッターを入れるあたりのシーンが、すごくいい。


あれ、べた褒めするつもりだったのに、気づいたら文句をたくさん書いてしまった。でも、目を引くカットがすごく多かったです。次週も期待。