シャングリ・ラ 第13話 「飛行少女」


今回はアクションシーンが中心の回でした。9話の時に誤魔化されたのでちょっと信用していなかったけど、今回はアクションをきちんと描いてくれて大変良かった。國子のアトラス攻略作戦は、地上から攻撃する部隊と、上空から侵入する部隊に分かれて展開されます。國子とモモコ・武人はK.D.と名乗る傭兵らしき人物を雇って、アメリカ軍基地に用意された「ブーメランのような」機体に乗って、上空からの侵入部隊を導きます。メデューサ討伐失敗の件が影響して陸軍の展開が遅れたせいで、地上の攻撃部隊の進捗は良好。
政府軍が撃ってきたミサイルを、國子は戦闘機の上に立って、ブーメランで撃墜します。途中で回想カットをはさみながら、「これが、メタルエイジの、宣戦布告だああー!!」と叫びながらブーメランを投げるこのシーンは、めちゃくちゃかっこいい。政府軍はミサイルの次はもっとハイテクな迎撃機を放ってきます。先端にはカメラとコンピュータが付いていて目標を追跡し、尻尾についている回転式のチェーンソーのようなもので、目標を切断する。しかも敵味方関係なくターゲットにして、空軍機も撃墜されていきます。國子とモモコがK.D.の操縦する戦闘機から飛び出し、この迎撃機の上に降り立って発見したのは、たぶん草薙たちが以前秋葉原で買い付けたコンピュータでしょうね。その次に飛んできてこの機体を撃ち落としたのはダイダロスの種で、熱源を感知してそこに向かって種子を弾丸のように射出する植物。
その次に政府軍は擬態戦闘機を持ち出してきます。K.D.が背後に突然出現した戦闘機に驚くシーンの直後に、司令部の涼子たちによる説明が入る、という構成ですね。空からの侵入部隊はアトラスの内部にパラシュートで降り立っていくけれど、中には弾丸を浴びて撃ち落とされる者もいて、この戦争で犠牲が出ないわけがないよね、と現実を見せ付けられます。そんなカットを見せられた直後で、パラシュート部隊に迫りくる迎撃機はかなりの絶望感を感じさせますが、そこで颯爽と國子のブーメランが迎撃機を切断するのですから、國子の英雄的な活躍が際立ちます。K.D.は最初は非協力的な態度で、仕事だから仕方なくやるという雰囲気でしたが、次第に國子に心を動かされて、最終的には國子たちのために迎撃機に向かって特攻していきます。K.D.は結局パラシュートで脱出できて、無事なことが確認できました。


美邦はメタル・エイジと政府軍の戦いを面白がって見ていて、ミーコがそれを諫めています。軽んじていい命なんてない、と。普段好き放題人を殺している美邦は、こうして改心していくんでしょうか。原作にはこんなシーンなかったけど、やっぱり美邦には少し命の重さを教えてあげた方が、作品として親切な気がする。


全ての黒幕のタルシャンがいよいよ参入してきましたね。第6話の時にオロチをしかけた黒幕として出てきたくらいで、今までほとんど出てこなかったのですが、まあさすがにタルシャンの存在を消すことはなかったか。EDも絵が差し変わって、華やかになって大変よろしい。


作画も頑張ってくれていたし、何より戦争を盛り上げる構成がうまかった。次週も期待。