シャングリ・ラ 第9話 「天啓陽月」


美邦たちの日食の中の百鬼夜行に偶然遭遇した國子とモモコ、友香。國子たちは突然目の前に現れた巨大な牛車に呆然とするばかりでしたが、小夜子がショットガンで突然撃ってきたのを機に戦闘に発展し、モモコは小夜子に注射器で薬品を打たれて昏倒し、ミーコは牛車に向かって投げられた國子のブーメランを受け止めて気絶します。ミーコはブーメランを見て戦っている相手が國子たちだと気づいたようだけど、國子たちは敵の中にミーコがいるとは気付かなかったよう。モモコは小夜子の「モルモット」として生け捕りにされ、連れて行かれます。國子はなおも牛車に飛びかかろうとしますが、何者かが巨大な鳥居を大量に落としてきて、國子の行く手を阻みます。鳥居を落としたのは涼子たちでしょうね。このカットは迫力があって良かったけど、期待していた戦闘シーンはほとんど無かった。あんまり派手なアクションはやらないんですね。
モモコを連れ去れられてしまった國子は、空元気を張って口数が多くなります。負傷した友香を担いでドゥオモに戻るときにも、しきりに冗談を言って和ませようとする。ところで、國子がドゥオモに向かって歩いている時の、アトラスを背景にしたカットは見ごたえがありますね。國子たちと対比してアトラスの巨大さが感じられるし、國子たちが「アトラスに向かって歩いて行く」ことが記号的に示唆されているようにも思えます。
「現代の」水蛭子が死んでしまって、涼子たちは新しい水蛭子を生み出す儀式を執り行います。いたいけな少女を池の中に放り込み、宮司たちが祝詞を唱えると、少女の周りをまわっていた紙が張り付いて、水蛭子の霊が降霊してきます。少女の瞳は淀んでいって水蛭子のそれに変わり、もはや前の水蛭子と見分けがつかなくなってしまいます。ここ、本当にやるの?ってくらい残酷なシーンだけども、誤魔化すことなくやりましたね。


國子はドゥオモに帰還しても空元気を張っていますが、モモコのことを尋ねられると元気だった顔が非常に「病んだ」表情に変わり、國子はその場を去っていきます。結局國子が向かったもは、國子救出のためにいまだに穴を掘り続けている武彦たちのところ。國子はその穴を掘らせ続けて刑務所まで貫通させます。掘り終わった先で國子が見たのは、刑務所の囚人が涼子たちに皆殺しにされてできた、死体の山。これは國子にさらに追い打ちをかけますね。國子は仲間を助けるためにモモコを失った悲しみを鉄の意志で抑えたんでしょうけど、結局彼も助けることができなかった。それで抑えていた感情も爆発して、國子はモモコとの思い出を振り返りながら死体の山の中で泣き叫びます。
最後に、すっかり影の薄くなった香凛たち。一文無しになったクラリスを見かねて香凛はクラリスの口座に300万も振り込むと言いますが、クラリスは「たったそれっぽっち?ランチ1回でパーよ!」と凄まじいことを言って、香凛は仕方なく3000万振り込みますが、クラリスはそれも浪費してしまい「3000万なんてランチにデザートつけたらあっという間よ」と言い放ちます(笑)。香凛はその代りに、自分の言うことをきかなくなったメデューサの修理をクラリスに頼んだわけですが、その原因は自分の命令の優先度が下げられていて、タルシャンの命令が優先度一位になっているということ。今まで「タスケテ、タスケテ」しか言わなかったメデューサは、急に知性的になって「やあ香凛。僕は必ず、自分の弱点を克服してみせるよ」と香凛に語りかけてきます。涼子のにメールで何者かがメデューサの情報をリークしていたけど、あれを送ったのはタルシャンでしょうね。それを受けて草薙はメデューサ討伐にペルセウスで出て行ったのでしょうか。メデューサ太陽光発電衛星・アポロンをハッキングして、海上に太陽光を照射して台風を発生させます。


次回「言霊の剣」は、國子と美邦と草薙が持っている短剣のことでしょうね。次週も期待。