「シャングリ・ラ」 池上永一


上下合わせて1000ページは長かったけど、昨日読み終えました。行き当たりばったりで次々と新たな設定が出てきているような気がしたり、表現があまりにオーバーだったり、アトラスを作る理由がトンデモな理由だったり、最後に肉体が消滅したはずのミーコが生き返ったり、文句を言いたいところは山ほどあるものの、全体としてはかなり面白かった。書評なんて書けないので、アニメを見るに際して知っておくべき事柄をネタばれしない程度にまとめます。


メデューサの仕組みはやっぱり良く分からなかったけど、それはあんまり重要じゃなかった。経済炭素については、
経済炭素とは、規定量二酸化炭素を削減するに際して、それを分割削減するときにペナルティ(利息)として規定量に上乗せされる量。二酸化炭素の削減の達成度に応じて炭素指数が変動し、それに応じて炭素税が、二酸化炭素を排出して作られた工業製品を対象に課税される。
ってことでいいのかな。香凛たちが何をどうして炭素指数を減らしているのかは全然分からない。

グラファイトに価値が出ているのは、金塊みたいにプレミアが付いているのではなく、石油のように資源として価値を見出されているから。日本は空気中の二酸化炭素の固定技術を確立し、また炭素繊維でつくられた様々な製品(炭素税がかからない)が普及して、グラファイトの価値が上がった。

・國子が池袋に行ったのは、原作だとその方面から奇襲を受けたから(実際には政府軍の奇襲ではなく、種子を弾丸のように射出する植物・ダイダロスによるもの)。アニメ版では実際に池袋に政府軍が潜伏していて、微妙に異なっています。

・國子がグラファイトを売りに行こうと提案するときに行ったセリフは、メデューサによってマレーシアの炭素指数が激減したことを受けて、炭素本位の経済が近い将来終わりを告げると直観したから。アニメ4話の國子のセリフはいろいろはしょりすぎていてひどく薄っぺらに聞こえる。

・第6話でモルディブのオロチを退治しましたが、その時にアメリカが放った気化爆弾は、原作だと日本政府軍が擬態装甲を使った空母でアメリカの空母に化けて落としたものでした。アニメでは涼子たちがアメリカと連絡を取っているはずなので、確かにアメリカが落としたものだと思われます。

・あれ、オカマの銀って、結局なに?

國子がメタル・エイジの総裁かどうかというのはあまり重要ではないようなので、アニメは原作とかけ離れた進路を取ることはなさそう。アニメと原作で異なる点というのも基本的に細部においてです。第7,8話でやるらしい、國子が涼子に捕まって死刑を宣告されるっていう内容は原作にはないけれど、続く9話のあらすじは原作の第七章に相当するみたいで、このへんから原作の流れに戻るみたいです。

見どころは、モモコの國子への愛情・女らしくあろうとする執念、小夜子の美邦への愛情、ミーコや小夜子を通じての美邦の成長、などなど。この作品に出てくる人々はみんな逞しい。あと戦闘シーンには大いに期待しています。第9話で鮮やかに動き回るモモコを見たい。


ニュータイプ5月号に掲載された番外編も読みました。コミック版もまた違う話をやっているっぽいので、そのうち読むと思います。あと、娘TYPEのピンナップは素晴らしいですね。エスティ・ローダーはモモコと國子の絆です。


・この1週間、家にいる間はシャングリ・ラを読むことで忙しくて、先週見たアニメはシャングリ・ラとそらかけとエデンとバスカッシュだけです。なので週末の記事は今週はお休み。いつもこうして積んだアニメが切られていくんですよね…なるべく消化しますけど。あ、バスカッシュの7話はとても良かったです。