バスカッシュ! 第3話 「デストロイ・デストロイ」

今週は半分くらい「フローラ・スカイブルーム」さんの顔見せ回ですね。ナレーションと同じ釘宮理恵さんがCVをやっています。スカイブルーム王家の王女で、各地を視察中にローリングタウンを訪れた、と公式のキャラ紹介にありますが、今回の話を見ればわかるとおり「異物」キャラで、スカイブルームというのが何なのかも今週ではまだ分かりません。


前回セラとのワン・オン・ワンに敗れたダンに、第三のビッグフットが爆弾のようなボールを雨のように投げつけてきたのでした。あのあとどうなったかは最初明示されずに、また別の日に同じビッグフットと戦っているさなかに、ダンとスパンキーの回想として描かれます。まだそれでもあまり明らかにはされず、ダンたちはボコボコにのされた、ということしか分かりません。ほぼ似たシチュエーションなので、初見のときは普通に前回の続きをやっているのかと錯覚してしまいますね。ダンはビッグフットの居場所に見当をつけ、廃ビルの壁を屋上までよじ登りますが、そこには誰もおらず、むしろ障害物のない開けた場所に出たことで集中砲火を浴びます。一方セラは、ダンがおとりとなっている間に、球が出てきている場所を突き止めますが、敵はきちんとセラの接近を察知していて、セラの方にも球を投げつけてきます。逆光で操縦席の顔は見えないけども、セラはこの段階であるいはある程度見当がついていたのか。落下しながら弾丸を浴びるセラは悲鳴…ではなく嬌声を上げます。変態すぎてついていけない(笑)。ダンも屋上から落下し、敵のビッグフットは親指を下に向けて去っていきます。
しかし、バスケで戦うアニメではなくて、バスケットボールで物理的に戦うアニメになってしまったのは残念ですね。一応5話まではプロローグらしいので、(「バスカッシュ!」はスポーツの名前で、第5話でそのスポーツが誕生するそうです。アニメディア5月号より)しばらく様子をみますが、それがバスケットボールを敵にぶつけてなにかするようなスポーツだったりすると感想を切ると思います。


ダンとセラはボロボロになったビッグフットをミユキのもとに持っていくと、ミユキもどういうわけか嬉しそうにして「直しがいがある〜!」とか言っています。ダンたちはミユキの用意した食事を食べるんですけど、ここがちょっと珍しいカメラワークをしていますね。食事するダンではなくて(スパンキーが皿にかぶりついていますが)料理の載った皿だけを移して、ダンのスプーンが動くと料理が減っていき、すると料理の向こうにガンツの顔が現れてきます。ダンは食事の間ずっと自分を襲ったビッグフットへの呪詛を吐いていて、ガンツがセラに「おまえさんは?」と話を振ると、セラは全く量の減っていない料理をじっと見つめたまま「わからない」と返事を返します。ダンから嫌味を言われてもセラは無視し、そのまま「帰る。修理頼んだよ」と短く言って去っていきます。「負けたからって冷たく当たんなよ、伝説」とガンツに言われると、ダンは「負けてねえ!」と大声で叫んでスパンキーにスプーンを突き刺します。これはスパンキーがかわいそうだ(笑)。ダンとセラのワン・オン・ワンは人気のない廃墟で行われたにもかかわらず、ダンが敗れたことはどういうわけかニュースとして取り上げられていました。記事を書いたのは、前回ダンの釈放を報じた記事のライターと同じ「最強の傍観者」なる人物。これが誰なのかも今後の主題になってきますね。ダンはそのボロクソに書かれた自分の記事を受けて「仕返しだっ!」と叫びます。もちろん記事を書いた人にではなくて、戦ったビッグフットに対して。
セラは帰り道、自分を襲ってきたビッグフットのことを考えながら歩いていると、チンピラに絡まれますが、セラはあっという間に5人のチンピラをのしてしまいます。チンピラ達は昨日セラを襲ったビッグフットの操縦者と比すために出てきていますね。チンピラ達を「軟弱」、セラは昨日のビッグフットの操縦者への思いをより強くします。すると、アイスマンが「大丈夫ですか?美しい女性が、悩ましい顔で。」とセラに気障な言葉をかけてきます。セラがアイスマンの名前を言うと、アイスマンは自分の名前を知っていることに驚いて、目を丸くします。アイスマンはセラに「もうお帰りなさい。そろそろ月の明かりも消える頃です。」と気障なセリフを言うと、「ムーニーズ・ブロードキャスト・システム」の放送終了のアナウンスが流れて、月面の電気が消えていきます。「地球’」では地球よりもっと直接的な意味で「明かりが消える」んですね。しかし「MBS」か(笑)。「バスカッシュ!」はMBSが幹事局でしたっけ?セラはアイスマンの後ろ姿と、自分を襲ったビッグフットに乗っていた人を重ね、アイスマンにに近づいてみて、突然蹴りを放ちますが、チンピラ達と違いアイスマンは難なくガードしてセラを弾き飛ばします。セラがアイスマンに「ストリートバスケはおやりになるの?」と尋ねると、アイスマンは「あれはバスケではありませんねえ。僕はビッグフットバスケのプレイヤーです」とあざ笑うかのように応えて去って行こうとします。これはつまり、アイスマンのセラに対する侮蔑になっているんですね。アイスマンはストリートバスケで「プラチナの疾風」の異名をとるセラを、最初からずっと「お嬢さん」と呼んでバカにしているわけです。セラが「遺伝子を下さらない?」とアイスマンに申し出ても、アイスマンは自分からナンパしておいて「おやすみなさい、セラ」と言ってセラを振ります。しかしセラは自分に屈辱を与えたアイスマンを「ステキ♪」と(笑)。「セラ・ミランダ」の名前は「(頭文字をとって)SでM」という意図で付けたとアニメージュ5月号に書いてありましたが、Mすぎて手に負えない(笑)。セラはともかく、アイスマンの高慢な性格がよく表れていたシーンでした。


ローリングタウンを訪れたフローラは、横にずらっと黒服の男たちを並べて、ダンクマスクの像を見学しています。ガイドの女性の言葉づかいに腹を立てた「爺や」を、フローラが厳しく咎めています。たった1年の出来事で「語り継がれている」という大仰な言葉にベルが突っ込みますが、ガンツは「いいんだよ金になれば」と興味を示さず、ダンクマスク・グッズの販売に精を出しています。この2人はローリン競技場跡地でこういう商売をしていたんですね。フローラは突然、殺気のようなものを感知し、黒服の男たちに注意を呼びかけます。すると、どこからかバスケットボールがものすごい勢いで飛来し、ダンクマスクの像を粉々にします。ボールの表面には、ダンクマスクの顔に赤でバツ印を書いた絵が描かれていて、ダンクマスクへの「挑戦状」とガンツ・ベルは受け取ります。慌てふためく黒服の男たちですが、フローラは「怒りの空気は、既に消えました」と宣言します。フローラはどうやら、「怒りの空気」を放っている人間を視覚的・音声的に認知できる、みたいな感じの能力があるんですかね。


ダンクマスクの像を破壊した男は、「デストロイ!」と叫びながらローリングタウンのあちこちで破壊活動を繰り返します。その魔の手はココにも伸びてきて、ダンが説得してもココは一向にパソコンの前から動かず、ココはデストロイの放ったボールを食らって首が千切れて…という夢をダンが見て、ダンはダンクマスクの銅像が傍に落ちてきた衝撃で目を覚ましたせいで、その像をココの首だと思いこんで泣きつきます。デストロイの破壊活動のおかげで、ミユキの元には大量の壊れたビッグフットの修理依頼が来ています。ミユキは大喜びですが、商売が繁盛して喜んでいるのか、壊れたビッグフットを見て興奮する変態的な喜びなのか(笑)。同時にデストロイに愛機を破壊され、けがを負ったたくさんの人たちが涙を流しています。ダンは自分の顔にバツ印の書いてあるボールを見ると、デストロイへの怒りが頂点に達して、手近にあったダンクマスクの像の首に蹴りを入れてしまい、叫びを上げます。ダンは足を氷で冷やしながら、ビッグフットの修理依頼でてんてこ舞いのミユキに「なんとかしなさい」と説教をされ、喧嘩になります。「ビッグフットに乗っていない人にも危害が及ぶかもよ」とミユキに言われると、ダンはさっきまで見ていたココの夢を思い出し、動揺します。協力を申し出たセラも交えて、デストロイを倒す方策を話し合います。セラはさっきの時点でアイスマンがデストロイだと確信していて、ダンに「もしかしてあいつ、あんたの知っているやつかもよ?」と言っています。なかなか打開策も見えてこず、「月の明かりも消える時間」になったころ、スパンキーはソーイチの設置した罠に引っ掛かって、檻に入った状態でダンの前に運ばれてきます。「俺の知り合いで一番凶暴なやつはてめえだぜ」とダンが何気なく言うと、ミユキがその言葉をとっかかりにしてデストロイをおびき寄せる方法を思いつきます。スパンキーと比されるほど凶暴なデストロイを、スパンキーが罠にかかったことを機に、罠にはめられると思った、と連想したことはわかるけれど、、ミユキは何気ない言葉で実に様々なことを思いつく人ですね。
ミユキが思いついたのは、ダンクマスクを餌にしてデストロイをおびき出すこと。「ダンクマスクの火の用心〜」とシュールなセリフの流れるカセットテープをセラが担いで、それと同時に風船の上にダンクマスクの乗ったダンガン号の模型をくっつけたものをミユキが車で運んで、デストロイを誘っていたんですね。分かりづらいシーンでしたけど、最初にデストロイがボールをぶつけたときは風船の性質でダンガン号が立ち上がって、直接ボールをぶつけに行ったときには、風船の上のダンガン号が粉々になって、下の風船があらわになったんですね。そうしておびき出されたデストロイをフラッシュが照らし出し、操縦席に居るアイスマンの顔が明るみに出ます。「あなた、ストリートはやらないはずだったんじゃないの?」とセラに言われると、アイスマンは不敵に笑って、「これはバスケではない。デストロイだ!」と悪役丸出しのノリで破壊活動を開始しようとしますが、ボールのストックを本物のダンクマスクに奪われます。ダンは「ボールは一個で十分だよな?」と言って他のボールをすべて割り、セラとアイスマンの3人でストリートバスケを始めます。フローラもその「空気」を感じ取り、爺やの止める声も聞かず、屋根の上に身軽に登ってその様子を眺めます。「あれは何?ボール?バスケット?」と、きちんと視認できているようで、この視力も能力の一つなんでしょうか。ダンたちの試合の轟音で寝ていた人たちも目を覚ましはじめます。「飲み過ぎた」とか言いながら気持ち悪そうに歩いている「はるか・グレイシア」さんも、彼らの試合に興味を示します。ガンツとベルは試合の内容をカメラに収めて、「あとでネット配信して大もうけだぜ」だそうです。ダンたちが彼らの頭上をジャンプしていって、さぞ迫力のある画が録れたことでしょう。フローラは眼下に見える街が活気づいていく様子を眺めて、「運命の風が…!」と。さっきまで暗闇の中でやっていたので、どれが誰のビッグフットなのか分かりづらかったんですが、観客も増え、電気の光も増えたことではっきりとどのビッグフットか分かるようになりましたね。最終的に警察が出てきたところで彼らの試合は終了し、街の電気が徐々に消えていきます。
次の日、顔を腫らしてダウンしているダンのもとに、「私があなたをプロデュースしてあげるわ」とはるか・グレイシアさんがやってきて、次回に続きます。この人は何かすごく古典的な風貌ですね。


さて、とりあえずセラが変態すぎてついていけないのと(笑)、ダンたちがあんまりバスケやっているようには見えないのとで微妙な感じがしました。フローラが結構良い感じのキャラでした。フローラはこの世界観では「異物」に見えてしまって、どう作用するのか全く想像がつきません。次週ははるかさんがダンとアイスマン、セラの対戦をセッティングするそうです。次週も期待します。