WHITE ALBUM 第9話 「思い出に気の利いたシナリオは要らない。口から出た瞬間、どうせみんなたわ言」

なんともお久しぶりです。遅くなりましたがWHITE ALBUM第9話の感想です。


理奈さんの誕生日だった11月26日から2日経って、11月28日の早朝です。学園祭を間近に控えて、 冬弥くんの父親ですら緊張のために眠れない様子。美咲さんと冬弥くんの作っていた舞台衣装は徹夜作業の末に無事に完成しました。この日冬弥くんはマナさんの家庭教師のアルバイトがあり、美咲さんは一人で完成衣装を持って演劇部の本番前の稽古に出向きます。美咲さんの衣装は田丸に勝手な理由でダメ出しを食らいます。田丸が「あの絵じゃあ、稚拙すぎてわかんないよ」と言ったのは、冬弥が褒めてくれた美咲さんのデザイン画。このあと美咲さんと冬弥くんは冬弥くんの父親までも動員して、徹夜で衣装を直す作業に臨むことになります。
家庭教師に出向いた冬弥くんは、前回と同じく眠ってしまいます。マナさんとの会話の途中で眠ってしまったのでしょうか。眠っている冬弥くんにキスをしようとしますが、思いとどまります。いままでマナさんの冬弥くんに対する感情は「興味」以上のものは示されていなかったと思うので、ちょっと唐突な印象を受けますね。また、前回と今回で冬弥くんとマナさんが会話をするシーンは全く描かれていませんね。今回もマナさんと冬弥くんが会話をしていたらしい描写はあるものの、結局どのような会話をしていたのかはマナさんの「ひとりごと」から推測するしかありませんが、冬弥くんは由綺が学園祭に来ることを知らなかったはずですから、マナさんはいったいどんな会話をして「由綺も別に見たくない」なんて答えているんでしょうか。


日が明けて、学園祭の初日を迎えました(美咲さんたちの公演は2日目のようです)。前回では由綺に土曜日の予定を尋ねられていましたが、冬弥くんのほうは由綺の言うことが「何も耳に入っていなかった」のでした。
まず今回結局学園祭に来ることになったマナさんの視点から、学園祭の賑わいの様子が伝えられます。メインステージでは由綺が手を振っていて、前回由綺の言葉で「耳に入らなかった」内容というのは、サプライズで由綺がお笑い芸人のステージに登場するということだったというわけです。マナさんは完全にはるかさんを由綺だと勘違いしていて、はるかさんに「いたいた、由綺〜」と声をかけます。しかし、前回はるかさんが「座敷わらし」と言ったのはマナさんのことを指していたんですね。はるかさんは「由綺はあっち」とマナさんに教えてあげます。このあとマナさんは登場しないので分かりませんが、これで一応誤解が解けたのかな。由綺がステージで発表した「お知らせ」というのは、デビューシングルを出すという内容でしょうか。
今回冬弥くんは夕方頃に起き、大学に由綺ではなく美咲さんを探しに行って、彰さんに皮肉を言われ、さらに由綺のことはお笑い芸人の会話を立ち聞きしたときにようやく思い出して愕然としています。またこの日の夜に、冬弥くんは大勢の「観客」の中に紛れ込んでいて、声なき大声で由綺の名前を叫ぶも、他の声に紛れてしまう、という印象的なシーンが入っています。これはさながら冬弥くんが「彼氏」の座から「観客」の一人にまで落ちてしまったことを示しているように見えますね。
美咲さんたちが徹夜で完成させた衣装は田丸君たちに受け入れられて、「まじめに練習していた」と冬弥くんは美咲さんに報告します。美咲さんが自分の台本や衣装にずいぶんな愛着を持っていることが、「お遊戯」という言葉を受けた「私の子供たち」という言葉から分かりますね。


学園祭2日目になりました。美咲さんたちの観客席は田丸君に用意してもらえずに、現在は閉鎖されている2階席にある「照明用の小部屋」に向かうことになります。物置になっているというその場所は冬弥くんの言うとおりまさに「大探険」で段ボールを乗り越え、机の下を潜り、道なき道を行くことになります。2人は開演までに照明用の小部屋にたどり着くことができませんでしたが、プロローグの部分は昨日冬弥くんも見たということであきらめることにします。「時代劇みたいだった」という冬弥くんの感想は美咲さんの意図していたものではなかったようで「熱が出そう」とおどけながら言います。二人は手近にあった座席に腰掛けて小休止をし、冬弥くんは学園祭準備の一連の話題から発展させて、彰さんの気持ちを美咲さんに突き付けてしまいます。彰さんの気持ちと言うのは美咲さんも知っているものでしたから、これを(美咲さんが恋をしている)冬弥くんが改めて彰さんの気持ちにこたえろ、と迫ってくるというのはなんと残酷なことでしょう。美咲さんも機嫌を悪くし、抑えきれなくなった感情を冬弥くんにぶつけてしまいます。
「第四幕、不潔でよこしまな恋。きっかけは詩集、演劇台本、デザイン画。勘違いする。妄想が募る。後輩の彼女に嫉妬する。彼女の先輩に嫉妬する。彼女を裏切る。嘘をつく。後輩の友人の気持ちを知りながら、受け入れることができない。なぜなら後輩が、後輩に、後輩を…私は!」
立て続けに感情を吐露する美咲さんの唇を、冬弥くんがキスで塞ぎます。「後輩」が冬弥くんで「彼女」が由綺、「彼女の先輩」が理奈さんで、「後輩の友人」が彰さんですね。冬弥くんはとっさに美咲さんの気持ちに応えようとして、美咲さんは「みんな嘘だから」と言って、「私は(冬弥くんのことが)好きじゃない」と言って、冬弥くんの本心からではない返事を押しとどめます。冬弥くんが立ち去った後、彰さんが現れて美咲さんに思いを伝えます。自分に返ってきた告白が、自分が求める冬弥くんの気持ちではなくて、「受け入れることができない思い」だったというのが、「不潔でよこしまな恋」の「罰」に等しいことだったということでしょうか。今回美咲さんが告白する一連のシーンはとても良いシーンだとは思いますが、抽象的なセリフが多くて難解なシーンでもありました。


今回冬弥くんは今まで全く美咲さんの気持ちに気づいていなかったために困惑してしまいました。とっさに「好きです」と答えていることもあり、「どうしよう、由綺」というのは、美咲さんを受け入れることもやぶさかではないと考えているということでしょう。
では、今回は短めですがこのへんで。


・Keyのメモフェスに行ってまいりました。riyaさんの曲は全部茶太さんが歌いましたね。割と声質も似ているので特に違和感はありませんでした。良いライブだったと思います。


喰霊-零-のDVD第3巻が発売しましたが、ちょっと時間がないので感想は書きません。