黒神 -the animation- 第3話 「シンクロ」

前回シンクロの負荷で倒れた慶太くんは、目を覚ますと自分の部屋に戻っていました。部屋にはインスタント麺を「生のラーメン」とかいってかじるクロがいて、そこに茜さんがやってきます。前回交換したのはやっぱり心臓で良かったんですね。心臓がなじまないうちは傍にいなければならないというクロ。こうなると次回くらいには慶太くんについていって学校に行くことになるんでしょうね。


食卓で3人でクロからの説明を受けるところでは、慶太くんはずっとアンニュイな表情をしていましたね。彼が何を思っていたのかは推測しかできませんが、クロに上をたくしあげられた時の反応から「茜さんを巻き込んでしまうことに対する抵抗感・あるいはいらだち」や、クロが命の恩人だという話になっている時のキレ方から「クロと心臓を交換とかいうわけのわからんことをされて、後戻りができなくなった恐怖」とか、そんな感情を抱いていたんじゃないでしょうかね。慶太くんのこういった感情はとても自然だと思いますが、前回のシンクロ時の意味の分からないテンションの高さと、普段のクロに対していらだちを感じている彼とでは、ものすごいギャップを感じますよ。


慶太くんのもとに電話をかけてくる担任の坪田先生。前回気付かなかったんですが、この人は1話のCパートの「マスタールートたち」の中に居たようです。坪井先生は慶太くんを呼び出そうとしますが、慶太くんは「幼馴染が来ているんで」と言って断ります。呼び出しに応じるかどうかでハラハラしていたんですが、断った慶太くんにほっとしますね。風呂上りバスタオル一枚でリビングに出てくるクロとか、「慶太くんと一緒に寝たい」とかいうクロとかはちょっと記号的すぎて微妙。茜さんの反応が良いですね。キャラ的には姉ですが、幼馴染で慶太くんと対等の立場ですから、嫉妬心を見せることもあるのです。
慶太くんは階下から聞こえてくるクロたちの笑い声を聞きながら、「あんなことがあったなんて…信じられない」と呟きます。ここのシーンが今回は一番良かったかな。回想の中にある「非日常」に対して、慶太くんや茜さんの「日常」が際立っていますね。


次の日は3人で服を買いに行きました。クロのファッションショーは、とりあえずクロが可愛かったのと、後ろの慶太くんが面白かったです。1着目では眠そうな目で見ていましたが、2着目ではiPodを聴きだして、3着目ではとうとういなくなりました。そしてひたすら「お似合いですよ」としか言葉を発しない店員。クロの服はこれはもう2着目を即決でいいですね。


さらに翌日。慶太くんは病院には行かず、クロを家において学校に行きますが、慶太くんが留守の間にトライバルエンドの侵入者がクロを襲ってきます。慶太くんと契約したばかりのクロは思うように体が動かずに、チンピラ達にボコボコにされます。ボコボコにされるのは毎回のことではありまして、むしろボコボコにされるのがいいんですが。クロが受けたダメージは、心臓を通じて慶太くんにも伝わるようです。クロはチンピラから上手いこと逃げ出して、ベランダから飛び降りて慶太くんのもとに向かいます。慶太くんが傍にいれば力が発揮できるんでしょうね。いつも一緒にいる犬が、手ぬぐいのにおいをたどってクロを慶太くんのもとに導きます。


慶太くんは慶太くんで、とうとう坪井先生に捕まってしまいました。坪井先生はいかにもうさんくさい誘い文句で慶太くんを蔵木サイドに取り込もうとします。慶太くんはこの先生を信頼しているのか、あるいはクロたちに辟易していたからなのか、彼の表情からはそんなに抵抗感はうかがえませんね。彼にとっては坪井先生の言葉よりも突然現れたクロの方がよほどうさんくさいのでしょう。坪井がトライバルエンドだと知った後もまだ呆然とした表情をしばらく見せていましたが、1話で死んだ山田理佐さんの情報を蔵木たちに流したと言うことを知り、「戦う覚悟」がついたようです。クロと互角以上の戦いをしていた坪井も、シンクロ後にクロには瞬殺されました。しかしこのシンクロの痛い演出はなんとかならんのか…


最後に、蔵木たちの行動について。蔵木たちは同じ顔の人間を3人見つけたあとに、サブの2人を出会わせて消去し、残った一人のルートに誘いをかけているようだ、ということが坪井と慶太くんの会話でわかりました。前回のシーンと今回のCパートで、次のターゲットは茜さんになるようですが、どうなるんでしょうか。
あと「クロの兄」というのが何なのかが気になりますが、未だに判然としませんね。


戦闘シーンのクオリティは依然として高いです。が、シンクロ時の慶太くんは、普段のおまえはいったい何なんだっていうくらいノリノリでひどく不自然。個人的な印象ですが、1話のインパクトだけだったかなぁ…っていうのが本音です。次回以降は感想を切るかも。