黒神 -the animation- 第1話 「三位一在」

昨日はいろいろアニメがあったんですが、今回取り上げるのは「黒神 -the animation-」です。
制作はサンライズ。今クール2発目ですね。「そらかけ」はかなりハマってとりあえず「キャラ☆メル vol.7」を買ってきました…


母を亡くし、親友を亡くし、人とのかかわりを避けるようになった主人公の伊吹慶太くん。まゆちゃんの母親からの食事の誘いを「約束があるから」と言って拒み、学校のクラスメイトからの誘いも「隣の子の面倒を頼まれている」と言って断ります。その日彼は、ゲーセン・映画館・CDショップ・ファーストフード・立ち読み…とひたすら時間をつぶします。


立ち読みしている慶太くんのもとにまゆちゃんが現れるのは、「時間のつながり」を確認するためだと思われます。アニメでは画面が変わると時間がどれくらい経過したのか分かりづらくなることが往々にしてありますが、ここではまゆちゃんの母親から誘いを受けたのと、クラスメイトから誘いを受けたのが「同じ日」であると確認しているわけです。視聴者としてはこれらを別の日だと思いこみ、慶太くんにほんとうに用事があるのだと思いたくなりますが、慶太くんは紛れもなく嘘をついているのだと、ここで我々に改めてつきつけてくるのです。
…ちょっと細部の話は避けようと思ったのですが、ここだけちょっと気になったので。もちろん単純にまゆちゃんへの愛着を抱かせる目的もあるでしょう。


そのあと彼が向かうのは、立ち入り禁止になっている、途中で途切れた自動車道。ややわかりにくいですが、道路が水の上に立っていることに注目ですね。公式にプロデューサーインタビューとして載っていましたが、「近未来」の「水没都市」を舞台にしているとのことです。


彼は駅のホームで母親にそっくりの人物を見かけます。いわゆる「ドッペルゲンガー」…この物語では「ドッペルライナー」と呼ぶそうですが。ライブ会場で自分とそっくりの女性を見かけた理佐さん。モデルにスカウトされている、理佐さんそっくりの女性。3人いるという「ドッペルライナー」の性質も明確にされていますね。


次の日は慶太くんは駅で昨日見かけた女性を探します。昨日とまったく同じカットをいくつか用いて、慶太くんの「日常」というものを演出していますね。いつものラーメン屋に行った慶太くんは「元神霊」であるクロと出会います。クロから「ドッペルライナー」についての解説が。全体を通してやや説明くさい感じがありますが、慶太くんの日常のテンポが乱されることはなかったので、さほど気になりませんでしたね。


クロが突然現れたフードの男に金属バットで殴られ、ゆったりとした慶太くんのペースで進んでい物語がここで急転します。挿入歌に合わせ、非常にテンポよく進む戦闘シーン。クロがフードの男を殴り飛ばすシーンは、BGMも相まって迫力がありました。SEはちょっと嘘くさかったですけど。


「ドッペルライナー」を見た理佐さんの訃報がテレビで流れ、そしてまさかまゆちゃんまでもが、慶太くんの目の前でトラックにはねられてしまいました。特にまゆちゃんに対しては好感をもつように誘導されてただけあってなかなかの衝撃です。それを見て「ルートじゃなかったんだ」と簡単な言葉で片づけてしまうクロさんは、対照的にとても冷酷に映りますね。


予告はなんとなくCパートっぽく映りますね。そこにはしっかりと理佐さんやまゆちゃんの姿があります。


なかなか鬱々とした展開でしたが、一話の引きとしてはなかなか良かったと思います。キャラデは若干癖があるように感じますが、モブキャラが丁寧に書き込まれていて良い作画だと思います。


あとクレジットに「西村博之」の名前を見て、いまさらですが驚きました。



・「明日のよいち!」 第一話
一話見た限りだとそんなに好みではないんですが…倉田英之さんの脚本なので一応見ようかと思います。倉田さんは「かみちゅ!」以降全く外していない感じがしますから。