WHITE ALBUM 第1話 「そう、あの時はもう、スイッチが入ってたんじゃないかなあ」

さて、冬のアニメで最初の感想を書くのは「WHITE ALBUM」です。1998年にLeafより発売されたゲームが原作になっています。私は未プレイですが、有名な作品らしいです。この年代のエロゲーというと私はAirくらいしかプレイしたことがありません。世代の違いということにしておいてください(笑)
制作はセブン・アークス。魔法少女リリカルなのはシリーズで有名な制作会社ですね。


さて、物語は主人公の冬弥のみる夢から始まります。印象的なカットがノイズにさえぎられたセリフでつながれていきます。演出自体は古くから使用されているものながらも画面に引き込まれていきますね。


焼きそば、ゴミ袋、牛乳パックetc・・・非人物も細かく描き込みがなされていて好感のもてる作画ですね。
冬弥の部屋では、漫画やレコード・カセットなど、「昭和」を連想させるアイテムが次々とカメラに映されます。


OP…相変わらず上松さんはいい曲を書きますね。


公衆電話で叫ぶ冬弥の声は我々の耳に届かず、代わりに冬弥の心の内が文字として写されます。この文字がそのまま1話のサブタイへとつながります。この長いサブタイを見るとどうしてもtrue tearsを思い出してしまいますね(笑)


冬弥と由綺が大学で逢うシーン。冬弥の声は由綺にさえぎられて、由綺はマネージャーの弥生さんに連れて行かれます。冒頭の夢のシーンのデジャヴュを感じますね。


そのあと主人公の友達達を紹介するエピソードが始まります。しかし七瀬彰(C.V.阪口大助)さんはもろに春原(CLANNAD)の声でキャラの位置づけ的にも似ているので、私にはどうしてもダブって見えてしまいます。

「はじまったよ…今日の女神」


劇団のメンバーによる由綺への嫌がらせ。緒方理奈にとって「先週」のエピソードがこのあと冬弥にはリアルタイムでテレビに映ります。この「時差」も由綺と冬弥の距離感を感じさせる演出の一つとして機能しているように思えます。

「緒方理奈ってこええぇぇ・・・」


由綺と冬弥の電話のシーン。公衆電話やテレホンカードなどのアイテムにくわえ、由綺と冬弥をスクロールで交互に映す演出にも二人の距離が感じられます。私だけかもしれませんが、目が回ってしまうので、普通に交互に映す演出だけで十分だったような気もします。


そして再び電話の声が音楽の中に掻き消えて、冬弥の心の内が文字として浮かび上がってきます。Aパート冒頭のデジャヴュを感じながらEDが始まります。


次回予告では単調な線で描かれた理奈とサブタイの文字が弦楽器の音の中で踊ります。私なんかはパラパラマンガを連想してしまいます。非常にセンスが良いと思います。


登場人物たちの紹介に加えて、由綺と冬弥の距離感が絶妙に描かれている、1話としては申し分のない出来だったと思います。次回からも期待。



追記
零度数になっても会話が途切れないのは不思議ですね。公衆電話が「背景」にすり替わって、会話だけが画面から乖離してしまいます。ここからさらに会話が音楽へとすり替わりますから、なんだか詩的ですね。