ヨスガノソラ 第2話「アキラハズカシ」

『ヨスガノソラ』の2話が相変わらず面白かった。 前回の引きの「イかせて…」というのが「学校に行きたい」だったのには(どうせそうだろうなと思っていたものの)少し苦笑い。けど、その動機、独りで家にいるのが寂しくて退屈だった、というのが上手く出て…

ヨスガノソラ 第1話 「ハルカナキオク」

『ヨスガノソラ』の一話がとんでもなく面白かった。兄と妹の恋愛、というのを真っ向から描いていて、果てしなくエロい。しかも、穹の脚の艶めかしさが「歩くこと」という主題と不可分に結びついているのが凄い。 診察室で穹が自慰をするシーン、足の指の艶か…

「ストライクウィッチーズ2」第10話について

佐伯さんが直球なのに対して、浦畑達彦さんは9話・10話と変化球を投げてきている印象。 第10話では公式同人誌のほうで主役を張っているハンナ・マルセイユがゲストキャラとして登場し、やりたい放題に振舞う。バルクホルンを馬鹿にし、バルクホルンを餌にエ…

「ストライクウィッチーズ2」第6話が素晴らしい

ストライクウィッチーズ2、待ちに待ったサーニャ&エイラ回。 佐伯さんは第1期6話や第2期の4話のように、アバンを単なる本編への導入として費やすのではなく、その回の主役や、鍵になる困難・問題などが分かりやすく配置されたアバンを作ることが多い気がす…

「借りぐらしのアリエッティ」について

借りぐらしのアリエッティ。「借りぐらし」とあるのは、人間にものを借りて生活する、という意なのだが、大変な危険を犯して人間の家に「借り」にゆく姿にはやはり「狩り」という意味も掛かっているのだろうな、などと思っていたら、後半になって本当に狩猟…

「戦う司書」 第11話・モッカニア編について

7/4にTwitterでpostした内容に加筆したものです。 「戦う司書」が「本」という素材を用いて最初に扱ったテーマは、本来対象に対して一方行的であるはずの「本」が普遍的なモチーフを通じて双方向的になりうる、というものであり、「本」を通じて時空を超えた…

閃光のナイトレイド 第8話までの経緯のまとめ

新番の話を書こう書こうと思っているうちに四半期の2/3が過ぎ、もはや新番と呼ぶのも躊躇われる時期になってしまいましたが、このあたりで新番の話をしようと思います。今期私が特に面白いと思っているのは、『閃光のナイトレイド』です。DTB等で有名な大西…

今さらながら「ストライクウィッチーズ」6話のおはなし

ここ数日、時間がとれたのでずっと「ストライクウィッチーズ」を見ていました。第6話が凄く面白いということに気づいたのでメモ。佐伯昭志さんは2話でも9話でも良いものを見せてもらったけど、6話は特にヤバイ。 スト魔女の6話は、主に3度の「夜間飛行」や遮…

「マイマイ新子と千年の魔法」について その2

先日三度目になる「マイマイ新子と千年の魔法」の鑑賞に赴いたので、また再び簡単なレビューを。 五ヶ月前のエントリで以下のような話をした。(一部改変してある) マイマイ新子では、時代を経ても変わらない普遍的なものを抽出しようとしている。松の木に…

戦う司書-The Book of Bantorra- について

先週最終回を迎えた「戦う司書」についての所感。今回は、二転三転する作品の中で、全体を貫く2つの主題、「本」と「記憶」の対比構造と、ヴォルケンの倫理観を取り上げる。 「本」と「記憶」 「戦う司書」という作品の根幹に「人は死ぬと本になる」という世…

十文字青 「絶望同盟」 ― 承認を求める少年少女の同盟

絶望同盟 (一迅社文庫)作者: 十文字青,ま@や出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2010/02/20メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 222回この商品を含むブログ (41件) を見る「承認されないもの」に承認を求める高校生が互いを承認しあう場、それが「絶望同盟」。…

「涼宮ハルヒの消失」についての雑記

「涼宮ハルヒの消失」を見てきました。Twitterなどで良い評判を聞いていたので期待を持って見に行ったのですが、なるほど噂に違わぬ出来。おそらく散々と指摘されるような事柄でしょうが、簡単に感想を書きたいと思います。 まずは「エンドレスエイト」がど…

戦う司書 -The Book of Bantorra- 第15話 「少女と少女と神の寝床」

折に触れて「戦う司書」の感想はTwitterの方にpostしていますが、たまには「戦う司書」の宣伝も兼ねてブログの方に書きます。 第15話は篠原俊哉監督のコンテ回で、楽園管理者とアルメが対峙した時の電線、本の中でのパーニィと割れたコップ、ミレポックとア…

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第1話 「響ク音・払暁ノ街」

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト=「空の音」という主題 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」とわざわざカタカナで、しかも中点を打ってあることにはおそらくそれなりの意味があるはずだが、まあ第1話であるから、素直に画面に提示されている「空の音」という主題を見てみることにし…

放送開始前の時点での、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」に関するメモ書き

「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の放送開始まであと2日となった。「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」が1年前に「宇宙をかける少女」をやっていた枠を復活させて放送されることになにやら勝手に縁を感じて、フリーペーパーの「メーカー横断アニメガイド」と、「電撃大王」の神戸…

新年の挨拶

皆様、あけましておめでとうございます。このブログも1周年を迎えました。読んでいただいている皆様、昨年は大変お世話になりました。本年も宜しくお願い申し上げます。 今年は、文章の構成やレイアウトなども工夫しつつ、なるべく読みやすい文章を書きたい…

the note of satanismに関する覚書

夏コミのピアノ楽曲集を除けば1年ぶりとなってしまった「love solfege'」のC77の新譜、「the note of satanism」。直訳すれば「悪魔信仰の覚書」である。「マリアスノニウムの謝肉祭」「9つの緋色」「アクルグ解析による自由への教唆」がストーリー性を持…

2009年 ベスト/ワーストアニメ

この記事は、EPISODE ZEROさんと、反=アニメ批評さんの合同企画のためのエントリです。以下に企画概要を掲載します。 ■「2009年ベスト/ワーストアニメ」 • 執筆形式・論述分量自由 • ベスト/ワーストの定義も自由 • 挙げる作品数も自由 • 書きあがった記…

「マイマイ新子と千年の魔法」について

「千年の魔法」とは新子の想像力のことで、さらにそれは祖父から孫へ、新子から貴伊子へと伝承されるものである。「マイマイ」とは新子の前髪のハネのことで、跳躍のイメージ、新子の「想像力」の暗喩である。防府の外部からやってきた貴伊子と防府で育った…

君に届け 第10話 「協力」

胡桃沢の爽子への干渉 Aパート全体にわたって展開されているのは、爽子に対して胡桃沢がどのように干渉してくるのか、その様子の描写です。第10話の冒頭は前回と全く同様に、ボールが空に向かって打ち出されるカットがあります。前回と異なるのは、ボールの…

君に届け 第9話 「新しい友達」

そ〜とめこういちろう氏は3話の演出もされておりますが、今回のを見て、3話にわざと青色とオレンジ色の空を入れたのは、もしかしてそ〜とめ氏の仕業なのかもしれないと思いました。 今回、爽子と風早くんの間に「天の川」が横たわるカットがありました。7話…

生徒会の一存 第9話 「私の生徒会」 ― 有向的デバイスとしての「手」と、終了のポーズ

今週の生徒会の一存の主題は「手」―握手占い、終了のポーズ、知弦の置「手紙」。特に生徒会がずっと使っている「終了のポーズ」について言及されている回でもあり、知弦の過去と現在を「手」にまつわる描写で対比して綺麗にまとめ上げた素晴らしい回だったと…

君に届け 第8話 「自主練」

ボールを蹴ること 原作既読組としてどれくらい言及していいか悩むものの、このまま「原作どおりに」行くならば、今回から季節は「夏」から「秋」へと変わり、「体育祭編」とでも呼ぶべきエピソードが始まります。前回までで抑圧的な室内描写が多くなっていた…

君に届け 第7話 「土曜の夜」

部屋の色彩 今回はいわば真田くんの家での「密室劇」で、まずここに前回のトイレのシークエンスとの対比があります。真田くんの部屋は床も青色、ベッドも青色、ついでに携帯電話も青色で、前回のトイレと同様に青系の彩色がされていますが、前回のトイレは「…

生徒会の一存 第7話 「踏み出す生徒会」

最近はほとんど「君に届け」の話しかしていなかったのに、突然「生徒会の一存」の話になるんですが、7話がびっくりするくらい面白くて、twitterに書こうと思ったけど長くなったので、こちらにまとめます。 生徒会の一存の7話に関して、twitterでkokoneさんの…

君に届け 第6話 「友達」

閉塞感と親密感のイメージとしての「女子トイレ」 今回の挿話では我々は基本的に、女子トイレの中と、その外側に閉じ込められています。トイレの中に爽子と、爽子に絡んでいる女子生徒たちがいて、外側に取り巻きがいる。爽子とあやね・千鶴との「和解」に至…

君に届け 第5話 「決意」

「緑色」の明暗の変化 まず、Aパートですが、大きな枠組みになっているのは、爽子の心境の変化に合わせて「濃い緑色」から「淡い緑色」へと色合いが変化していること。全体の色彩として「暗い色」から「明るい色」へと変化してゆくのですが、特に前回の「緑…

「君に届け」のオープニングについて - 極彩色と回転のイメージ

今週、中村章子さんがコンテ・演出をやるので、ちょっとOP映像についてまとめ。 中村章子さんってどういう人かっていうと、作画@wikiには とにかく女の子を描くのが大好きで、蟲師23話では女の子のみ作監修正を行い、他は共同作監の西位輝実にまかせたとい…

君に届け 第4話 「噂」 - 「緑色」で表現する幸せのイメージと、幸せの翳り

今回は鏑木さんのコンテ回で、1話からの流れで「緑色」が「幸せの象徴」として用いられています。さらには「緑色」に「影を落とす」ことで、「爽子の幸せの翳り」が表現されています。2話、3話と用いられた「爽子のカラー」「風早くんのカラー」は用いられず…

Twitterを始めました。なんかブログだと、ちょっとした雑記とか気付いたこととかが書きにくいので、そういうのは全部ついったーの方で書こうと思います。 http://twitter.com/mike__neko mike_nekoが既に取られていたのでアンダーバーを2つにしました。